風景と旅の写真家のブログ

心に残る風景、旅先で出会った風景を、写真と文章で紹介します。

「写真展 星野道夫」に行きました

JR名古屋高島屋で開催(4月14日~25日)されているのを知りました。


副題が「悠久の時を旅する」でした。



1996年43歳で急逝したアラスカの写真家星野道夫


私にとっては、大切な表現者の一人です。


私と同じ年の生まれです。



没後10年・20年の時にも、写真展が開催されました。


没後20年の時は、写真展が名古屋では開催されなくて、


東京まで行きました。


東京の会場では、夫人の星野道子さんをお見掛けしました。




21世紀を迎える前に、星野道夫は逝ってしまったのですが、


科学技術による現代文明の在り方に、真摯な眼差しで警鐘を発していました。


晩年モンゴロイドとしての日本人のルーツを、北米インディアンやエスキモーの


神話の中に索めて、新たな旅を始めたばかりばかりでした。



没後の1999年刊行された「星野道夫の仕事」全4巻の最終巻です。


副題が「ワタリガラスの神話」です。


南東アラスカに居住するアサバスカン・インディアンやハイド族の人々との交流


を交えながら、星野道夫は撮影を続けました。


最晩年の著作『森と氷河と鯨ーワタリガラスの伝説を求めて』(世界文化社)に詳しく載っ


ています。



これは『星野道夫の仕事3ー生きものたちの宇宙』の表紙です。



今回写真展を見た後、改めて写真集を開いてみました。


正直写真展では感じることのなかった感動を覚えました。



一枚一枚の生きものたちの写真から、目が離せなくなってしまうのです。


アラスカの大自然を背景にしながら、そこに生きているリスやクマ、ムース、オオカミ、


星野が見続けた生きものたちの姿が、そのままに伝わって、


目が離せなくなくなってしまうのです。




あらためて、わたしはおもいました。




星野道夫は、生き物の魂を、カメラを通して感受して、表現することのできた


稀有な表現者だったと。


芸術家に通じる写真家であったと。




残念ながら、なぜか写真展では感じることのなかった感動を、


写真集の写真から、私は強く感じました。


写真展の時、自分の体調がすぐれなかったのが原因だったのかもしれません。